カテゴリ:お金 / 投稿日付:2023/07/07 09:00
家の解体の流れや解体後の手続き、解体費用を安く抑える方法などを、
更地にして売る場合のデメリットも含めてお伝えします。
■解体したい理由は物件ごとに違う
■なぜ、土地を売るために家を解体する必要があるのでしょうか。
・古い建物が建っていると売れないだろうと思って、更地にしようと考える人。
・長年住んでいた実家なら、「ほかの人には住んでほしくない」という思い。
・空き家の期間が長く、建物が老朽化して崩れかかっている。
・動物が住み着いていたり、ごみが投棄、危険な状態・不衛生な環境に陥っている。
このような場合には、環境改善のためにも建物を解体し、
いったん更地に戻した方がよいでしょう。
このように、解体したい理由は物件によって、また所有者の考え方によっても違います。
しかし、よほど建物が老朽化して危険な状態にあるのでない限り、
解体して更地にしなければならない理由はありません。
古家付きの土地でも、適正な価格で売却することは十分可能です。
■実家や空き家の解体の流れ
■必ずしも解体する必要はないという前提で、それでも更地にして売却したいという方のために、
建物を解体して更地にするまでの流れを説明していきます。
■解体費用の見積もりの出し方
┗まずは解体業者に見積もりを依頼します。
見積もりの方法には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定は、インターネット上の一括見積もりサービスを利用した
見積もり方法です。建物の種類や構造、面積(坪数)、
周辺状況などを選択すると、近隣の解体業者から見積もり結果が送られてきます。
精度は高くないものの、手軽に見積もり依頼できる点と、
一度の入力で複数の会社の見積もり内容を比較できるのがメリットです。
一方訪問査定では、解体業者の担当者が、実際に現場を見て見積もりしますので、
正確な金額を出してもらうことができます。
「机上査定」で見積もりした場合でも、最終的には「訪問査定」によって
正確な見積もり金額を掲示してもらうことをおすすめします。
■解体見積もりではどこを見るか
┗解体費用は坪単価で算定されます。
そのため、建物の規模が大きいほど解体費用も高額になります。
解体のしやすさもポイントの1つで、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物は
木造に比べて解体に手間がかかるため、坪単価が高めに設定されています。
前面道路が狭いと重機やトラックの出入り・横付けができず作業日数がかかるため、
解体費用も割高になります。前面道路と高低差がある土地も、宅盤を崩したり、
残土を処分したりという作業が必要になるため、コストアップになります。
また、建物だけでなく庭木や庭石、塀、舗装版などの外構、浄化槽・井戸といった
埋設物の撤去にも費用がかかります。
建築基準法でアスベストの使用が禁止される2006年以前の建物の場合、
屋根材や外壁材にアスベストの含有された建材が使用されている可能性もあります。
アスベストを含む建材は散水しながら手作業で撤去することになるため、
通常よりも数十万円は余分にコストがかかります。
■解体にかかる費用相場
┗解体費用は坪単価で算定されるため、家の大きさがわかれば
おおよその解体費用をしることができます。
相場の計算式 |
坪単価(相場)×延床面積(坪数)=建物本体の解体費用 |
※坪単価の相場は地域によって異なりますが、以下を目安としてください。
壁を設ける | 1坪あたりの相場 |
---|---|
木造 | 2.5~3.5万円程度 |
鉄骨造 | 3~4万円程度 |
鉄筋コンクリート造 | 5.5~6.5万円程度 |
30坪の木造住宅なら、3万円×30坪=90万円。概算で90万円程度の解体費用がかかる
ことがわかります。ただし、この坪単価はトラックや重機の出入りに支障がなく、
外構や埋設物、特殊な建材の撤去費用を考慮しない場合の単価です。
実際には何らかの付帯費用がかかると考えて、
後数十万円は多めに見積もっておくようにしてください。
解体にかかる日数は、30坪程度の木造住宅なら10日から2週間程度ですが、
付帯工事が多い場合は作業に手間がかかるため、倍以上の工期が必要になることもあります。
■解体後の手続きや費用
┗建物を解体した場合、解体工事が完了してから1か月以内に
建物滅失登記を行わなければならないと、不動産登記法によって定められています。
滅失登記をしないと建物を取り壊しても自治体に通知がいかないため、
解体した後も存在しない建物に対して固定資産税が課税され続けることになります。
このようなことにならないよう、解体後は速やかに滅失登記を行うようにしてください。
建物滅失登記には登録免許税は課されませんが、土地家屋調査士に登記を依頼する場合、
報酬として3~5万円程度の費用が発生します。
■解体費用を安くすます4つのポイント
思ったよりも解体費用がかかることに、驚いた方も多いのではないでしょうか。
ここからは、解体にかかる費用を抑えるための方法をご紹介していきます。
❶解体業者は複数を相見積もり
┗ どの解体業者に依頼するかによって、見積額には数十万円単位で差が出ることもあります。
競争相手がいることで見積額が安くなる場合もありますから、
できるだけ複数の会社に見積もりを依頼して、内容と金額を比較するようにしてください。
ただし、極端に見積額の安い解体業者には注意が必要です。見積額が極端に安い場合、
後から高額な追加費用が発生したり、手抜き工事や不法投棄を行ったりという
悪質な業者である可能性も考えられます。
❷ごみ処理は事前にできるだけ自分で処理できるものはする
┗ 「どうせ解体するのなら、不要になった家具や家電も一緒に処分してもらいたい」
というのは、誰しも思うことでしょう。
しかし、残置物は無料で処分してもらえるわけではなく、
すべて産業廃棄物として処理されます。
産業廃棄物の処理費用は一般廃棄物に比べて高額なので、
一般廃棄物としてごみ収集業者に引き取ってもらえば数百円から数千円で済むところを、
産業廃棄物として処理することで数万円のコストがかかる場合もあります。
少しでも少しでも費用を安く上げるには、不用品はごみ処理施設へ持ち込む、
リサイクル業者に回収に依頼するなど、できるだけ自分たちで処分するようにしてください。
❸解体に関する補助金を利用する
┗ 地域によっては、空き家を解体することで自治体から補助金の交付を
受けられる場合があります。空き家対策の一環として行われる助成制度で、
危険をともなう老朽化した空き家を除去し、環境の保全を図ることを目的としています。
❹解体後に費用を抑える
┗ 建物を解体した後、1か月以内に建物滅失登記を行わなければいけません。
滅失登記を土地家屋調査士に依頼せず自分で行うことで、
登記にかかる費用(土地家屋調査士に報酬)を節約することができるからです。
■まとめ
土地を売却するにあたり、建っている実家や空き家を解体する場合の解体の流れや、
解体費用の目安についてお伝えしました。
高額な解体費用ですが、見積もりのポイントを頭に入れておくことで、
多少なりとも費用を抑えることは可能です。
補助金の活用や滅失登記を自分で行うことも視野に入れてみるとよいでしょう。
ただし、建物を解体して更地にすることは、固定資産税が大幅にアップするなどの
デメリットもともないます。
なぜ解体するのか、本当に解体する必要があるのか、再度検討されてみてはいかがでしょうか。
慌てて解体せず、まずは古家付きで売りに出してみるというのも選択肢の1つです。
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