カテゴリ:不動産を売る / 投稿日付:2024/03/15 09:00
自身の所有するマンションを売却する際、その価格を
どのように決定すべきかについて考えたことはありませんか?
また、実際の成約価格とはどのように異なるのでしょうか?
今回は、マンションの売却を検討している方が最も気になるであろう
売り出し価格や最終的な成約価格に関するポイントについて解説してみたいと思います。
■マンションの売り出し価格とは
▶売り出し価格を解説します。
売り出し価格とは、
・不動産仲介会社がマンションの相場データやお部屋の状態などを基に出した査定価格
・売主が希望する売却価格
を調整して合意した価格です。
不動産仲介会社は相場データに基づいて客観的な根拠にもとづく価格を提示しますが、
最終的な売り出し価格の決定は売主が行います。
売主も「このくらいで売りたい」という希望価格があり、
その希望価格で売却してくれる不動産仲介会社を選びたいと考えているでしょう。
このような双方の思いを踏まえ、会話を通じて売り出し価格を調整していくのが、
一般的なマンションの売却価格決定のプロセスです。
■売り出し価格と、成約価格
▶売り出し価格と、成約価格との乖離性はどのくらいなのでしょうか?
公益財団法人 東日本不動産流通機構が発表した
「首都圏不動産流通市場の動向(2018年)」によれば、
2009年から2018年までの10年間の平均では、首都圏のマンションの売り出し価格は
平均2,843万円であり、成約価格は平均2,787万円でした。
言い換えれば、売り出し価格と成約価格の差は約-2%の乖離が生じていることが分かります。
また、(株)東京カンテイの調査によれば、首都圏において
2007年から2016年の10年間で売り出し価格と成約価格の差(乖離率)を算出した結果、
売却期間が1カ月以内の場合は乖離率が-3.8%、2カ月以内では-6.7%、
12カ月以内では-19.5%となり、売却期間が長引くにつれて
乖離率が大きくなる傾向があります。
これらのデータから見ても、金利や税制の変動だけでなく、
マンション自体の特性も考慮しつつ、売り出し価格を決定しても成約には
数%の割引が必要であり、これを躊躇すると時間が経つにつれて
数十%の割引が必要になる可能性が示唆されています。
■売り出し価格は査定価格とどのくらい違う?
▶査定価格とは、不動産仲介会社が売買実例などから調査して、
相場データ等を根拠に「このくらいで売れるであろう」と見積もった価格です。
この価格は、豊富な取引実績とデータを有する不動産仲介会社が算出するものであり、
その精度は一定の水準を保っています。
ただし、売り出し価格には査定価格とは異なり、売主の主観的な意向や
希望が反映されることがあり、それによって若干の違いが生じる可能性があります。
例を挙げましょう。
売主が新築時に特注で設置した外国製のこだわりのキッチンがあるとします。
デザインがおしゃれでまだまだ利用価値があると売主は考えています。
しかし、これは購入者にとっては一般的な日本のキッチンと異なり、
サイズが合わないことや、故障時の修理やメンテナンスが難しいことが懸念され、
逆に評価が低くなる可能性があります。
通常、不動産仲介会社は査定価格を基にして売り出し価格を決定しますが、
中には「このキッチンの魅力を理解してくれる人がいるはずだから、
売り出し価格を査定価格よりも高く設定したい」という売主の希望も存在します。
その場合、査定価格と売り出し価格の差が相当広がることがあります。
査定価格は一定の基準で算出されるため、不動産仲介会社による大きなばらつきは少ないですが、
価格の差異は主に売主の希望や状況(残債、住み替え予定など)によるものと言えます。
■適切な売り出し価格の見極め方
では、どのように決めたらいいでしょうか?一般的な流れに沿って説明していきます。
■相場価格を調べる
「売却価格」を把握するためには、まず「市場で取引されている価格」を知ることが肝要です。
マンションの場合、自分がいくらで購入したかは一つの指標にはなりますが、
基本的にはその価格は下がります。
特殊な事情によって上昇する場合もあるかもしれませんが、
全体の成約データからみても極めて稀です。
重要なのは、自身のマンションの“現状”を客観的に理解することです。
周囲のマンションがある価格帯で取引されているからといっても、
単にそれに倣うのではなく、マンション自体を比較することが大切です。
築年数、立地、利便性などが挙げられますが、バルコニーの方角、階数、
お部屋の位置なども比較要因となります。
現代では、インターネットを活用して簡単に類似物件の価格を調べられるため、
これらを自身のマンションやお部屋と比較してみることがおすすめです。
■住宅ローンがあるなら、残責を調べる
月々のローン支払いを把握している方も多いと考えますが、
その金利が現在いくらであり、残債が具体的にいくらかまで
正確に把握している方は少ないのではないでしょうか?
ただし、住宅ローンが残っている物件を売却する場合、残債を一括返済する必要があり、
最低でも売却価格が残債を上回るように、売り出し価格を検討する必要があります。
それでも売却を検討する際には、売却予定価格よりも住宅ローン残債が上回る場合は、
できるだけ高く売るように努めるか、場合によっては売らないという
選択を検討する必要があります。
売却を検討する際には、最低でもこれくらいで売らないといけない
というラインを設定することが有益です。
■不動産仲介会社に査定を依頼
不動産仲介会社に査定だけを頼むケースは、内見対応や契約、
引き渡しなどの「売却活動を自分で進める場合」などに限られますが、
その際の方法は以下の通りです。
相場を調査し、住宅ローンの残債も確認して、
これらの情報から得た価格が的確であるかを確認したいという動機があります。
この際、実績のある不動産仲介会社に頼むことが望ましいでしょう。
近隣にある不動産仲介会社から、大手企業を選ぶか、
地域密着型で地元に特化した不動産仲介会社を選ぶかなどの選択肢があります。
査定を依頼する際には、複数の会社に頼むことで、適正な価格を把握しやすくなりますので、
遠慮せずに複数の会社にお願いすることをお勧めします。
■適切な売り出し価格の見極め方
▶それでは売り出し価格を決めるにあたって、そのポイントとなることや注意点について次に解説します。
■最低価格を決める
┗売却希望価格に対する査定価格の低さや、査定価格での売却が長期間成立しない可能性があります。
したがって、売り出し価格を決定する際には、あらかじめ「値下げの限度」を設定しておくことが重要です。
この対策を怠ると、焦りから急激な値下げを余儀なくされたり、最初の価格にこだわり過ぎて全く売れない状況に
陥る可能性があります。マンションの価格は多岐にわたる要因に左右され、変動が激しいことに留意するべきです。
■値下げ価格、スケジュールを決める
┗マンションの売却では、購入希望者との価格交渉が一般的で、値下げ交渉もよく起こります。
値下げに応じない場合、他の購入希望者を待つ選択もあります。
しかし、事前に値引き分をプラスした価格を設定する方法もあります。
ただし、適切な金額を設定するためには信頼できる営業担当と相談が必要です。
値下げ交渉への対応は即座に行う必要はなく、状況を見て適切なタイミングで行うべきです。
スケジュールは不動産の取引が活発な春には短めに、秋には長めに調整するなど、
季節に合わせて検討するのが良いでしょう。
■同じマンションの価格を調べる
┗同じマンション内で同じ面積や階層の物件が売り出されることはあります。
特に分譲戸数が少ない場合は稀かもしれませんが、タワーマンションなどでは高い可能性があります。
同じマンション内では類似物件の中で価格が安いものが選ばれやすいため、
一度安値で取引されるとそれが成約事例となります。内装のリフォームや特殊な事情がない限り、
過去の取引実績から大きく乖離することはまれです。
同じマンション内の売り出し情報に常に注目し、不動産会社に同様の物件がないか確認することが重要です。
■まとめ
マンションの売り出し価格、査定価格、成約価格の違いと、
売り出し価格の決め方について解説しました。
マンションの取引は大きな買い物であり、金額差が生活に影響します。
最終的な決定は売主の判断に依存しますが、
信頼できる不動産仲介会社の査定やアドバイスを受けることが重要です。
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