カテゴリ:お金 / 投稿日付:2023/03/24 09:00
転勤で購入したマンションを売りたいが、いざ売ろうとしたら、
住宅ローンと逆ザヤになってしまい売るに売れない。
そんなケースは多くあります。
物件の資産価値を考えておくことで、こうしたケースに備えましょう。
■一つの場所にこだわりのある日本人気質
日本人は歴史的に農耕民族であり、土地に縛られた考え方をしがちです。
鎌倉時代には武士の間でも「一所懸命」という言葉が存在し、
幕府により与えられた所領をひたすらに開墾や改善して、その地に根を張り、
御恩と奉公をしていくという考え方が定着しました。
こうした背景から「いつか売る時のことを考えて買う」という習慣があまりありません。
「いつかは離婚したときのことを考えて結婚する」とか
「退職するときのことを考えて就職する」とか
「契約破棄するときのことも盛り込んで契約締結する」といったことが、
なかなか馴染まない文化なのです。
いつか売ることが前提で買うのが「資産価値」
しかし本来、私たちは結婚・出産・進学・離婚・独立など
さまざまなライフサイクルの変化に伴って、ベストな住まいも変わってはきます。
「住めば都」と自分の方を住まいに合わせて考えてしまいがちですが、
洋服を着替えるように、自分のライフスタイルに合った住まいを選ぶべきでしょう。
そんなとき「買い替えようと思ったら、住宅ローンの残債があることがわかった」
ということもあるものです。
そこで物件を買う時には、その物件を売る時や他人に貸す時にはいくらになるのか、
という観点でも一度検討してみましょう。
■物件サイトで、新築だけじゃなく中古も検討しよう
あなたが今、新築のタワーマンションを買おうと思ったとします。
高いか安いかは、素人にはよくわからない。
資産価値といってもプロでないと、とても計算が出来ないものです。
そこで視点を変えて、中古のコーナーや賃貸のコーナーを見てみましょう。
例えば新築で6,000万円していたAという物件。同じような物件が中古のコーナーで、
築10年4,000万円で売りに出ていた。また賃貸のコーナーでは、
似たような物件が家賃13万円で広告されていた。
とするならば、この物件はざっと「13万×12カ月×10年」+「4,000万円」と計算ができます。
とても乱暴な計算ですが「自分で住まずに10年貸してから売ったら5,560万円の価値」
ということも言えます。
別のBという物件は6,000万円ですが間取りも特殊で駅も不便で、
賃貸では10万円、中古では3,000万円だった。
すると同じ計算で4,200万円の価値です。
AとBの差は、実に5,560-4,200=1,340万円もの差があります。
本来、中古賃貸物件を不動産オーナーとして買う場合は、
このような計算を銀行金利も含めて利回り計算を行いますが、
ざっとこんな計算をするとイメージがしやすいのではないでしょうか?
こうして計算すると新築は割高です。買った瞬間に中古になるからです。
そこは「新築に住める」という価値として理解しましょう。
一戸建ての場合は、売買時には土地相場が大きく影響しますが、
さすがに土地が上がるか下がるかは専門家でも難しい判断です。
例えば人気エリアかどうか、駅からの距離などは、
物件の資産価値を左右するひとつのポイントです。
将来、売ったり貸したりしても、その価値が下がらない立地や間取りの家を選んでおくことも、
大切な物件の選び方と言えるでしょう。