カテゴリ:不動産を賃す(投資・活用・賃貸経営) / 投稿日付:2023/07/21 09:00
駐車場経営には大きく月極駐車場形式とコインパーキング形式の2つがあります。
■月極駐車場
まず、月極駐車場の特徴と収益モデルについて確認していきましょう。
月極駐車場は、利用者と月毎の利用契約を結んで、毎月の賃料を受け取るものです。
現地に何台駐車場を確保できるかによって収益の最大額が確定します。
コインパーキングと比べて機械の導入の必要がなく、敷地の舗装も必須ではないため、
始めようと思えばいつでも始められ、利用者との駐車場利用契約が終了すれば
いつでも辞めることのできる手軽さがあります。
なお、月極駐車場の場合は、地元の不動産会社に行って
入居者募集〜駐車場の管理を依頼するのが一般的です。
■収益モデル 収入と支出
┗月極駐車場では、毎月の賃料から、不動産会社に支払う管理費や年間を通して
払わなければならない固定資産税を引いた合計額がプラスになれば、
その利益に対して課税される税金を払う必要があります。
基本的には、この流れだけで収入と支出が決まります。
1台あたり5,000円/月で、20台駐車可能な駐車場を例にシミュレーションしてみましょう。
なお、これらの収入に対して不動産所得として所得税と住民税が課されます。
項目 | 満車時想定/月 | 稼働率90%想定/月 | |
---|---|---|---|
収入 | 駐車場収入 | 10.0万円 | 9.0万円 |
支出 | 管理費など | 0.5万円 | 0.5万円 |
固定資産税 | 2.0万円 | 2.0万円 | |
利益 | 7.5万円 | 6.5万円 |
■月極駐車場の注意点
┗月極駐車場では、不正駐車に注意する必要があります。
契約者の車が駐車されていない間に不正に利用されてしまったり、
未契約の空いているスペースに不正に駐車されてしまったりなど、
不正駐車の被害は珍しいことではありません。
仮に、対策をとらず不正駐車を野放しにしておいた場合、契約者に迷惑がかかるほか、
解約を申し出る人が出てくる可能性もあります。
不正駐車をした際の罰則を明記した看板や、防犯カメラの設置など、
業者にアドバイスをもらいながら対策をするとよいでしょう。
■コインパーキング
コインパーキングはコインパーキングの利用者からの利用料が収入となります。
月極駐車場では、駐車台数によって収入の上限が決まりますが、
コインパーキングは車の出入りの回数によって収入が決まります。
また、コインパーキングでは機械の導入が必要ですが、その運用方法には専門業者に
土地を一括で貸し、専門業者が機械を導入して、地主は毎月一定額を受け取るパターンと、
専門業者から機械を購入して管理を専門業者に任せ、
収益を受け取って管理費を支払うパターンがあります。
前者は初期費用が不要ですが毎月の収入は少なく、一方、後者は初期費用がかかるものの
毎月の収入を大きくすることができます。一方コインパーキングは、
何かの用事がある時に一時的に利用するなどの利用法が考えられるため、
駅や繁華街、駐車場のない商業施設の近くなどにある土地が向いていると言えるでしょう。
■収益モデル 収入と支出
┗先ほどの月極駐車場と同じように20台駐車可能なコインパーキングという設定で
シミュレーションしてみましょう。
仮に、1時間100円で1日8時間稼働だった場合、1台あたりの収入は
800円/日、月で2.4万円になります。
20台であれば以下の収入が得られることになります。
・2.4万円×20台=48万円/月
専門業者が一括借上するパターンだと初期費用を抑えることができ、
毎月一定額を専門業者から受け取ることになります。
この時の額は専門業者との契約内容により異なります。
一方、自分でコインパーキングの機械を購入する場合、土地の広さにもよりますが、
機械導入費用として300万円程度、整地費用として100万円程度の費用が必要となります。
仮にこの金額を金利3%、借入期間3年としてシミュレーションしてみましょう。
この収入に対して不動産所得として所得税と住民税が課されます。
項目 | 1日8時間稼動想定/月 | |
---|---|---|
収入 | コインパーキング収入 | 48.0万円 |
支出 | 機械導入費・整地費用 | 11.6万円 |
管理費など | 2.4万円 | |
固定資産税 | 2.0万円 | |
利益 | 32.0万円 |